今回は一般的に「窓」(ギャップ)と呼ばれる、チャート上に現れる値動きの意味について解説していきます。
目次
窓とは?
そもそも「窓」とは、
相場において、値動きのなかった空白の価格帯のこと
を指します。
例えば前日の高値より高く寄り付き、日中の安値が前日の高値よりも高かった場合などに「窓」ができます。
上方向への「窓」は相場の強さを指し、下方への「窓」は弱さを」示します。
下記参考画像では上方向の窓が発生し、その後相場が上昇しているのがわかります。
「窓」について考える際、トレンドのへの理解が必要になります。
トレンドについてよくわからないという方は別記事で解説しているので、まずはそちらから読んでみてください!
トレンドラインとは?正しい引き方と使い方についてめちゃくちゃわかりやすく!
「窓」の3つの発生パターンとは
窓には細かく3つの出現パターンがあり、それぞれに役割があります。
ここでは直近(2020年12月15日時点)の日経平均で3つのパターンがきれいに発生していると思われるので、同じチャートで解説していきます。
ブレイクアウェイギャップ
1つ目のパターンはブレイクアウェイギャップです。
このギャップは重要な値動きの始まりで現れます。
多く見られるのは、主要な底パターン形成後に、抵抗線をブレイクするときなどです。
上の画像での日経平均は直前まで跳ね返されている価格帯を窓を開けて突破し、そのご上昇トレンドになっているのがわかります。
抵抗線ブレイクの際には出来高を多く伴い、多ければ多いほど「窓」が埋められる可能でいは低くなります。
先述しましたが、この窓が発生したら、これから新しいトレンド形成が始まるというよう考えられます。
「窓」が発生した時の最も理解しておかなければならないのが、2つあります。
1.上方への窓は後の支持線、下方への窓は後の抵抗線になる
2.トレンド中は価格が窓を超えないこと。窓を超えて引けた場合はトレンドの弱まりを示す
以上の2点です。
これはブレイクアウェイギャップに限らず、この後説明するすべてのパターンの窓に共通します。
ちなみに余談ですが、日本人の私にとってブレイクアウェイギャップはどうしても意味がぱっとイメージできないため、出現の時期から「ファーストギャップ」と勝手に読んでいます笑
ランナウェイギャップ
2つ目のパターンは、ランナウェイギャップです。
これは値動きが持続した後その中間あたりに形成される価格の跳ね上がりのことを言います。
このギャップは相場が適度な出来高で問題なく動いていることを意味します。
=トレンドの強さを担保します。
下の日経平均は先述したブレイクアウェイギャップ発生後にこのランナウェイギャップが発生、つまりその後の更なる上昇をサポートしています。
また、相場の中間あたりで発生するこのランナウェイギャップは値動きの目標値の算出にも用いることができます。
トレンドの起点からこのギャップまでの距離のばいの距離をこれからトレンドが進むというような仮定ができます。
エグゾースチョンギャップ
3つ目のパターンはエグゾースチョンギャップです。
エグゾースチョン(exhaustion)=疲労
つまり、最後のあがきを示すギャップで、このギャップの発生後にトレンドの勢いが弱まります。
このギャップは先の2つのギャップ(ブレイクアウェイギャップ、ランナウェイギャップ)の後に発生するため、アナリストやトレーダーは2つのギャップが出現した後、このエグゾースチョンギャップを探し始めます。
先述した二つのギャップ出現後にエグゾースチョンギャップが発生し、
アイランドリバーサルとは
3つのギャップの発生後に一定期間(数日から数週間程度)狭い値幅で取引され、そこから窓を開けて下落することがあります。
その時の窓に囲まれた島(アイランド)のような外観になり、このアイランドリバーサルが完成します。
このアイランドリバーサルの出現は重要なトレンド転換のシグナルになります。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
「窓」をチャート上で見たことある方は多いと思いますが、その出現パターンまで理解していたっていう人は少ないのでしょうか?
今回の記事で相場の見方を少しでも広げていただけたら嬉しいです。